蒼き風の覚醒
世界が止まり、色彩が爆発する。
その中心で、黒髪のツインテールを激しくなびかせ、彼女は宙を舞っていた。日常の境界線を踏み越えた少女の体躯を、猛烈な光の粒子と渦巻く風が包み込む。水彩の筆致で描かれたような淡い青と白の閃光が、彼女の輪郭を劇的に、かつ柔らかく縁取っていた。
少女は力強く、しなやかなポーズで虚空を蹴る。翻るスカートの裾から、魔法の力が具現化した光の衣が編み上げられていく。彼女の瞳には、先ほどまでの迷いはもうない。
「届け――!」
ダイナミックに開かれた指先から、七色の雫が零れ落ちる。フィニッシュのポーズを決めた瞬間、背後からは後光のような朝日が差し込み、彼女の黒髪を神々しく輝かせた。風に踊るリボン、飛び散る絵具のような光の飛沫。
それは、ひとりの少女が運命を受け入れ、伝説へと変わる、美しくも力強い変身の儀式だった。