陽だまりのブーケ、言えなかった言葉の続き
かつて放課後の園芸部で一緒に花を育てたあの日から、数年。ハルは街の小さな花屋で働いていました。朝の光が差し込む店内で、彼女は一束のブーケを丁寧に編み上げています。それは、今日この店を訪れるはずの「あの人」への贈り物。学生時代、花束に託して伝えたつもりだった想いは、結局言葉にできないまま時間だけが過ぎていました。「お待たせしました」ドアベルが鳴り、懐かしい声が響きます。ハルは少し照れくさそうに、でも誇らしげに、完成したブーケを差し出しました。「これ、今の私からの返事。……ずっと言いたかったんだ。あの時からずっと、あなたのことが大切だよ」窓辺の花たちが祝福するように揺れる中、止まっていた二人の時間が、新しい香りをまとって動き始めます。